近年、日本各地で頻発する地震は多くの被害をもたらしています。
特に2016年の熊本地震では、震度7が2度も発生し、「耐震等級2」の建物が倒壊する一方で、最高等級の「耐震等級3」の住宅はほとんど被害を免れました。一般的な住宅基準である「耐震等級1」や、「長期優良住宅レベルの耐震等級2」では、震度7の地震に2回耐えられず、倒壊するケースが報告されています。
これからの家づくりでは、内装や設備に投資するよりも、まず「家族と財産を守る地震に強い家」を建てることが最も重要です。
これから家を建てる方の
近年の地震で倒壊した住宅の原因の一つに、構造材の「断面欠損」が多いことが指摘されています。「金物工法」を採用すれば、木造軸組工法の中でも「断面欠損の少ない強固な構造」を実現できます。
この記事では、構造耐力に優れ、地震に最も強い「断面欠損の少ない」木造住宅を実現するための「金物工法」を詳しくご紹介します。
地震に強い家を建てる工法とは!
一般的な木造住宅の柱や梁桁などの構造部分は「伝統工法の手刻み加工」か「工場のプレカット加工」によって加工されます。
「伝統工法の手刻み加工」は大工が木材の特性を見ながら、大工職人の技術によって1本1本丁寧に造る加工です。
「手刻み加工」は、木と木の断面欠損が少ない接合をするので、プレカット加工より構造耐力が強い工法です。
近年の職人不足や工期短縮などの影響から手刻み加工が減り、今ではほとんどの工務店がプレカット加工をするようになりました。
「プレカット加工」とは、工場の製造ラインに木材を流して機械が加工する加工方法です。
そのプレカット加工の、柱・梁桁・土台などの接合部分の加工を「在来工法」と「金物工法」に分けられます。
家の骨組みである構造の接合部を「金物工法」にすることで、「断面欠損が少なくなるので、構造耐力が優れた地震に強い家」を建てることができます。
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金物工法のメリットとデメリット
木造住宅の構造部分を組立てる工法の一つに「在来工法」があります。
「在来工法」の土台、柱、梁桁の、木と木の接合するところの「継手・仕口部分を金物に置き換えた工法」が「金物工法」になります。
「金物工法」の場合は、継ぎ手や仕口の加工をなくして金物で接合することで、断面欠損を少なくして、構造耐力に優れた構造にすることができます。
「メリット」は接合部分を金物にすることにより、接合するために削り落としたところの断面欠損が少なくなります。
羽子板ボルトを取りつける手間がなくなり、梁を落とし込んでドリフトピンを打つだけなので施工性が上がります。
金物工法にすることでコストは上がりますが、家の骨組みの継ぎ手・仕口の重要な強度が上がり、上棟の施工性が良くなり、組み立て後の見た目もスッキリします。
施工性が上がることで上棟する建築現場での大工さんの手間と時間が短縮されますので、工期短縮につながり、結果的にコストダウンになります。
在来工法だと通し柱の梁を受ける接合部分の断面欠損が大きいので、通し柱の梁を受ける部分だけを金物にすることで強度が上がります。
コストアップを抑えるために、在来工法の通し柱の部分だけを金物に変える工務店も増えてきました。
「デメリット」は接合金物が増えるのでコストが上がるところで、約6,000円~8,000円/坪の単価が上がります。
一般的な浄水器は水道の蛇口部分や、カウンターに据え置くタイプなど水道の出口部分で浄水しますが、セントラル浄水器は水道メーターの元栓部分に浄水器を取付けるので、家中の全ての水が浄水になる仕組みです。
なぜ金物工法が地震に強くなる訳
金物工法が在来工法より地震に強くなる理由としてはこの断面欠損の違いが大きな理由になります。
断面欠損が大きくなると木材の耐力が落ち、断面欠損が小さくなると耐力が上がります。
左の絵が在来工法、右の絵が金物工法になります。
絵を見て分かるように左の在来工法は木材の削り取られる部分が大きくなるので木材の強度は落ちてしまいます。
このように2本の梁を受ける場合、断面欠損が大きくなるので、地震のような横からの衝撃に弱くなってしまいます。
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金物工法の弱点はあるの?
金物工法のシェアは30%を超えているとも言われていますので、かなり増えてきていますが、まだまだ一般的な工法とは言えません。ではなぜ断面欠損が小さくなり、構造耐力が上がる金物工法を選ばないのでしょうか?
金物工法の場合、木材の割れやネジレ、反りなどによる寸法精度が大きく影響されます。
木材の寸法精度が悪いとプレカットの機械に通りにくい、金物の取り付け位置がズレる不具合が発生しやすくなります。
金物の取り付け位置がズレると、ドリフトピンが入らない、無理に入れようとすると木材が割れることがあるので、金物工法では製品の寸法精度が安定した「集成材」を使います。
集成材について
ハウスメーカーでは「集成材」を使う会社が多いですが、工務店は「集成材」を使う会社は多くありません。
部分的に強度が必要なところは集成材を使いますが、工務店が「集成材」をあまり使いたがらない理由として、「集成材」は「紫外線や湿気に弱い弱点」があります。
「接着剤を使って木材を貼り合わせることで」木材の強度を上げて寸法精度を保つような木材です。
ですが、経年劣化により「接着剤が劣化して耐久性が損なわれる」可能性もゼロではありません。
「集成材」の耐久性は「接着剤の耐久性しだい」になります。家の中で一番重要な骨組みの、構造部分の耐久性が、「接着材の耐久性によって変わってしまうのは」長く住み続けるなかでは、大きなマイナス要素ですね。
接着剤には有害な化学物質が含まれていることもあります。接着剤に含まれるホルムアルデヒドは、「シックハウス症候群」を引き起こす原因物質のひとつです。
「室内の空気環境を良くしたい方」は「集成材」を使う構造なのかをしっかりチェックして建築会社に相談することをオススメします。
金物工法を使いたい工務店もたくさんあります。
「集成材」の安定した品質と、高い強度は魅力的ですが、それ以上に「接着剤の耐久性」に疑問を持っている工務店も多くいるのが現状です。
金物工法に無垢材は使えないの?
金物工法には集成材以外の無垢材を使うことが可能です。
無垢材に対応した金物メーカーであれば、国産の杉や桧材を使った金物工法で建てることができます。
ただし、金物工法に無垢材を採用する場合は品質が一定の基準(E-50、D-20)以上であることが保証されていることが必須条件となります。
金物工法に無垢材が使えるメーカーの一つにHSS金物があります。
HSS金物は、様々な素材・樹種に対応しています。
米松やホワイトウッドなどの集成材はもちろんですが、杉や桧などの国産無垢材にも対応しています。
地元の山の木材を使うことで、山も活性化します。
地元の山にお金が入ることで、山が元気になり、土砂災害が起きにくい山に育ちます。
自分の使うお金が、どのようにして地元地域の役に立つのか、までを考えられると素晴らしいですね。
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まとめ
地震に強い家づくりには金物工法をオススメします。
地震に備えて、家の構造を強化するために金物工法を取り入れることを推奨しています。これにより、大切な家族と財産を守り、地震後も安心して元の生活に戻れる家を建てることができます。
金物工法のメリット
- 強固な構造
金物工法を採用することで、木造軸組工法の中でも構造耐力に優れた、断面欠損の少ない強い家を実現できます。 - 補助金の活用
品質が一定基準以上の国産無垢材と金物工法を組み合わせることで、県や市から補助金を受けることが可能です。 - 耐震等級3の家
許容応力度計算を行い、耐震等級3に認定されることで、消防署や警察署と同等の耐震性を備えた家を建てることができます。
つづきは下の記事へ
耐震等級3の構造(骨組み)を金物工法で組み、コーチパネルを組み合わせることで、地震が起きても避難の必要がない最強の家づくりについて詳しく説明しています。木造住宅でコストを抑えつつ、地震に強い最強の家を目指す方は、ぜひ下の記事をご覧ください。必見の内容です!
耐震等級3の地震に強い家にすることで、地震保険の「耐震等級割引」を使うことができます。地震保険は自宅に住み続ける限り支払い続けますので「耐震等級割引」を使うと長期に渡って割引を受けれるところが大きなメリットです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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執筆者ie守りのプロフィール
職歴: 「材木・建材・住宅設備の営業職」として15年以上勤務し、新築やリフォーム物件向けに建築資材を提案・販売しています。
こだわり: 大工や工務店の皆さんに「常に新しい商品を提案する」ことを心がけています。これまでの建築資材営業の経験を活かし、建築会社からは得られない価値ある情報を発信します。
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