ウッドデッキは、家の外に開放感のあるリラックススペースを作り出し、さまざまなシーンで活躍する人気の設備です。設置することで、次のような楽しみ方が広がります。
●家族や友人、ご近所さんとバーベキューを楽しむ
●ハンモックで揺られながらのんびり過ごす
●子供やペットと屋外と室内の中間空間で遊ぶ
●自然の風を感じながら読書やティータイムを楽しむ
●子供と一緒に木工作業をする(ノコギリやトンカチを使う、塗装するなど)
●洗濯物の外干しがスムーズにできる
●キッチンで作った料理を外で食べるだけでアウトドア気分を味わえる
●タープを張って、自宅でキャンプ気分を満喫する

リラックス空間を最大限に活用する!
我が家でもウッドデッキを設置したことで、「できることが増えて、生活の楽しみが広がりました」。ウッドデッキは、自宅での過ごし方の幅を広げる魅力的な空間です。ただし、一度設置すると簡単には木材を変更できないため、慎重な材料選びが重要です。
そこで、本記事では「材木のプロ」の視点から、ウッドデッキを設置する前に知っておきたい木材の特徴や選び方を詳しく解説します。
これから家を新築される方の
ウッドデッキの材料選びでは、「コスト」「耐久性」「メンテナンス性」の3つのポイントが重要です。これらを踏まえて選ぶことで、自分にぴったりのウッドデッキが見つかります。
この記事を読むことで、ウッドデッキに関する疑問や不安を解消し、ご自身に最適な木材を選ぶための知識を得ることができます。専門的な視点から、ウッドデッキを長く快適に使うためのポイントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください!

ウッドデッキの種類を選ぶ
ウッドデッキには、大きく分けて「人工木材」と「天然木材」の2種類があります。
これらの違いは、「見た目」「質感」「耐久性」「メンテナンス性」「コスト」といったポイントに影響します。それぞれの特徴を把握し、ご自身のライフスタイルや予算に合ったものを選びましょう。


まずは、人工木材と天然木材のどちらが自分に適しているかを考えてみましょう。
天然木ウッドデッキの特徴

天然木材とは、山で自然に育った木から切り出した木材のこと。
木材の種類はたくさんあり、樹種によって見た目、質感、耐久性、メンテナンス性、コストが変わります。
天然木ウッドデッキのメリットとは?
天然木ウッドデッキのデメリットとは?
人工木ウッドデッキの特徴

人工木材とは、木粉とプラスチックを混ぜて成形して作った木材のこと。
メーカーの違いによって木粉とプラスチックの配合が変わるので質感が変わります。
人工木ウッドデッキのメリットとは?
人工木ウッドデッキのデメリットとは?
天然木材の種類を選ぶ
天然木材の中にはソフトウッド(針葉樹)とハードウッド(広葉樹)があり、それぞれ耐久性やコストなどが変わります。

ソフトウッド、ハードウッドそれぞれに樹種がたくさんあるので、何を優先するかによって選ぶ樹種が変わります。
例えばコストを最優先にする場合、ソフトウッドの杉の源平節ありが1番安い天然木になります。
家の間柱など下地材の規格品で施工することで人工木よりも安く、天然木の中でも最も安く設置することができます。

ただし杉は1番安い天然木ですが耐久性が劣ります。
ソフトウッドはメンテナンスをすることで長持ちさせることはできますが、木材自体の耐久性は1番低い木材となります。
このようにコストを最優先にするとソフトウッドになり、耐久性を最優先にするとハードウッドになりますので、それぞれの特徴とメリット・デメリットを見てソフトウッドとハードウッドのどちらが自分に合うのか確認しましょう。
ソフトウッド(針葉樹)の特徴

ソフトウッドはソフトな材木なので軽くて柔らかい材木です。
国産の針葉樹の中で「杉、桧」がウッドデッキとして多く使われています。

安く設置ができるソフトウッドのメリットとデメリットはこちらです。
ソフトウッドのメリット
ソフトウッドのデメリット
ソフトウッドのデメリットである耐久性の低さを改善した高温処理した製品や、防腐剤を加圧注入した製品も多く出回っています。
ソフトウッドの中でも、安価で耐久性がある材としてオススメするのが杉の赤身だけを使った材です。
杉の赤身材で良く使われるのは、飫肥杉の赤身材ObiREDです。宮崎県飫肥地区で育った飫肥杉から、赤身部分だけを使った高耐久赤身材です。
飫肥杉赤身材の耐久性能はヒノキや米ヒバにも劣らず非常に高く、赤身部分に多く含まれる油分は優れた防腐・防蟻性能を発揮します。

安定供給でき、比較的安価で仕入れしやすいメリットもあります。
コストを最大限に下げるなら、杉の白太部分を含む源平材です。安価に設置することができますが、耐久性の低い材です。無塗装でそのまま使うには材木屋としてはオススメしない材になります。

それでも源平材を使いたいなら!
防腐、防蟻塗料を塗ったり、防腐剤を加圧注入をすることで耐久性は上がります。


ソフトウッドで耐久性が高い材木と言えば!
国産のソフトウッドの中では桧材が良く使われています。桧材は耐久性に優れ、針葉樹の中でも水や湿気に強い材として人気があります。
耐朽性が高く安定した強度はウッドデッキには最適で、我が家のウッドデッキも桧材で設置しました。

我が家のウッドデッキ材は!
我が家では、家の骨組みで使われる桧節あり105×45の下地材をデッキ材に使いました。角は丸く大工さんがルーターで削ってくれました。
下地として使われる材なので節が多くありますが安く仕入れをすることができます。
その桧材に新築当時は「いろは自然塗料」を塗装して設置しています。
築6年にして1回DIY塗装をしました。1回目のDIY塗装から4年経ちだいぶ塗装が剥がれてきています。
少し割れが目立つようになってきましたが腐っているところはありません。

ソフトウッドは塗装の塗り替え作業は必須です。塗料の種類にもよりますが2~3年起きに塗り替えをした方が綺麗な状態を長持ちできます。
ソフトウッドは少し手がかかる材ではありますが楽しんでDIY塗装をして愛着を持つことでウッドデッキ材として長持ちします。
ハードウッド(広葉樹)の特徴

ハードウッドは高耐久材で、硬くてずっしりと重い広葉樹になります。繊維密度が高く木目が詰まった美しい木材です。
東南アジアや南米が原産で、代表的な材としてセランガンバツ、ウリン、イタウバ、イペなどがあります。
ハードウッドのメリット
ハードウッドのデメリット
ウッドデッキ材を選ぶ3つのポイント

ウッドデッキの素材選びは何を見れば良いでしょうか?
見た目で決めれば良いでしょうか?見た目で選ぶのも重要ですが、見た目だけで判断すると後々「こんなはずじゃなかった!」と後悔することにもつながりますので、見た目以外の重要なポイントをチェックしておきましょう!
見た目以外の「ウッドデッキの失敗しない選び方のポイントは3つ」あります。
①ウッドデッキのコスト、②耐久性、③メンテナンス性の3つのポイントを知り、何を優先したいのか?で決める樹種が変わってきます。

今回は家を新築する場合の選び方なので、ウッドデッキは大工さんが施工するので、この記事では施工性はあまり重要視していません。
ウッドデッキのコストから選ぶ

見た目が気に入ってもコストが高ければ採用できませんよね。
天然木材ウッドデッキの価格の順番は以下の通りです。
※左から順にコストが上がります。
杉源平節あり<桧源平節あり<杉赤身節あり<セランガンバツ<イタウバ<ウリン<イペ
杉の白太が入る源平節ありの既製品が1番安く、1番高いのはハードウッドのイペになります。

コストだけを最優先にするなら杉の源平節ありが安く購入できますが、杉源平材で長持ちさせたいなら防腐防虫塗料の塗装や防腐剤の加圧注入をすることでウッドデッキの寿命が伸びます。
セランガンバツ、イタウバ、ウリン、イペのハードウッドはノーメンテナンスでも長持ちしますがコストは上がります。

コストを抑えて長持ちさせたいなら杉の赤身材がオススメです。
人工木材は多くのメーカーが商品を出しています。ソフトウッドと同じくらいの価格帯からイペよりも高くなる人工木材があります。
ウッドデッキの耐久性から選ぶ
ウッドデッキの寿命(耐用年数)は樹種によって変わり、ソフトウッドとハードウッドでは寿命が大きく変わります。
ソフトウッドの寿命(耐用年数)は約5年~10年、ハードウッドの寿命(耐用年数)は20年~30年くらいと言われています。
寿命が長いほどウッドデッキの耐久性も強くなります。
※下の順番は左から右に耐久性が上がります。

杉源平節あり<桧源平節あり<杉赤身節あり<セランガンバツ<イタウバ<ウリン<イペ
水などに弱い白太部分を含む杉源平が耐久性が1番弱く、イタウバとウリンとイペは耐久性の強さはほとんど変わりません。
この耐久性の強さの順番はコストの順番とほとんど変わらず、安価な材ほど耐久性が弱く、高価な材になれば耐久性も強くなっていきます。

価格が上がればウッドデッキ材の耐久性も上がるようなイメージです。
人工木材の耐久性は素材によって違いがありますが、おおよそ10年~30年の耐用年数になります。ハードウッドと変わらないほどの耐用年数です。
ソフトウッド<人工木材<ハードウッド
ソフトウッドより人工木材の方が耐久性が高く、人工木材とハードウッドではハードウッドよりも耐久性が低い人工木材もあります。種類によってはハードウッドと変わらないくらいの耐久性の高い人工木材もあります。
ウッドデッキのメンテナンス性から選ぶ
ウッドデッキを長持ちさせるには天然木材でも人工木材でも定期的な掃除が必要です。常に外に置いてあり雨ざらし日ざらしなので、汚れが付着し続けると劣化を早めます。

メンテナンスは主に塗料の塗り替え作業になります。
ウッドデッキの種類によって塗り替え頻度が変わります。
ソフトウッド<ハードウッド<人工木材
ハードウッドの場合はノーメンテナンスでも長持ちしますが塗装した方が綺麗な状態を長持ちできます。ノーメンテナンスの場合、紫外線により年数が経つとシルバーグレー色に色落ちしますが耐久性は変わりません。
ソフトウッドやハードウッドの天然木材は塗装がない状態で放置が進むと「ささくれ」が発生します。「ささくれ」が足に刺さり大怪我をすることがありますので裸足で歩く際には注意が必要です。「ささくれ」ができてきたらサンドペーパーで削って綺麗な状態を保ちましょう。
人工木材の場合は塗装が必要ないのでノーメンテナンスで長持ちできます。デッキブラシなどで洗い流す程度のメンテナンスで大丈夫です。
ウッドデッキの下はゴミが溜まりやすいので綺麗に保つ必要があります。あまり放置し過ぎるとシロアリ被害の原因になります。

お気に入りのウッドデッキを施工してくれる建築会社はこちらで探せます。タウンライフなら複数社の見積りを比較できるから適正価格が分かります。間取りや土地の提案がもらうことができるので、家づくりが一気に進みます。
👉タウンライフ家づくりを使って分かったメリット・注意点はこちらです。
人工木材と天然木材のハイブリッドウッドデッキとは?
人工木材の良いところと天然木材の良いところをミックスしたウッドデッキのことをハイブリッドウッドデッキとして提案します。
ウッドデッキの束柱・根太・大引の隠れて見えないところを人工木材にして、床板と幕板の見える部分を天然木材にしたウッドデッキのことをハイブリッドウッドデッキと言います。

束柱・根太・大引のメンテナンスが困難な部分を、メンテナンスが必要ない人工木材にすることで、天然木材の弱点である雨や虫による腐食がないウッドデッキの構造にすることができます。

人工木材にすることで耐用年数が20年~30年に格段に上がります。
床板や幕板の見える部分をソフトウッドにすることで、見た目には天然木材の風合いを出すことができます。メンテナンスのDIY塗装も楽しくでき、交換が必要になれば床板や幕板部分だけを交換すればコストを抑えて新品同様にすることが可能です。
ソフトウッド+人工木材、ではソフトウッドでコストを抑えて、ソフトウッドの弱点の耐久性を大幅に上げることができます。
ハードウッド+人工木材にすることもでき、ハードウッドよりも安い人工木材を使うことで、コストを抑えてハードウッドでウッドデッキを設置することが可能になります。
ハウスメーカーと外構専門業者、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、どちらを選ぶべきかを判断するポイントをわかりやすく解説します。
👉エクステリア工事はどこに頼む?ハウスメーカー・外構専門業者の違いとは
まとめ
ウッドデッキの木材選びで失敗しない方法は、コスト・耐久性・メンテナンス性から何を優先にするかを決めて樹種を選ぶことです。

ハードウッドの中でコストが安いのは、「セラガンバツ(別名、バンキライ)」東南アジアのインドネシア、マレーシアに生育する広葉樹です。
セランガンバツの耐久性はウリンやイペに比べ若干劣りますが、20年以上の耐久性があります。色はウリンやイペに比べて明るめです。コスト面から良く使われる材です。
コストを最優先にして安いウッドデッキを設置するなら「杉の源平節あり」をオススメします。
安く設置できますが耐久性とメンテナンス性が劣ります。
耐久性を最優先にするなら「イペ」が耐久性があり、耐用年数は50年以上とも言われています。価格は高くなります。
イタウバ、アマゾンジャラも人気で硬く赤褐色や茶褐色の綺麗な材木です。イペ、ウリンより安価でセランガンバツよりも高価です。耐用年数は30年になります。

メンテナンス性を優先するとイペの寿命が長くノーメンテナンスでも長持ちします。価格も高価です。

何を優先するかで樹種が変わりますので、まずは優先したいことを相談して決めていきましょう。
ソフトウッドなら杉赤身、ハードウッドならセランガンバツやアマゾンジャラやイタウバがオススメですので、何を選べばいいのか分からない方は、オススメの材で見積もりをしてサンプルを見て選ぶと良いでしょう。

天然木材のウッドデッキでメンテナンスも楽しんで幸せなウッドデッキライフを送りましょう!
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