「古民家をリノベーションして住みたい」「自然素材を活かした心地よい暮らしに憧れる」──近年、こうした声が増えています。築50年以上の古民家には、太い梁や柱、漆喰や土壁といった自然素材の魅力が残されており、現代の住宅にはない温もりを味わうことができます。
一方で、古民家リノベーションには 費用相場や注意点、断熱・耐震などの課題 もあり、しっかり理解せずに進めると「予算オーバー」や「追加工事でトラブル」といった後悔につながることも…。
この記事では、
- 古民家リノベーションの魅力と人気の理由
- 費用や注意点、よくあるリスク
- 成功事例や補助金の活用法
- 後悔しないためのチェックリスト
をわかりやすく解説します。これから古民家再生を考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

古民家リノベーションとは?
古民家リノベーションとは、築50年以上経過した木造住宅を現代の暮らしに合うよう再生する取り組みです。単なる修繕ではなく、間取り変更・耐震補強・断熱改修・自然素材を活かした再生 など、建物の価値を高めるのが特徴です。近年は「空き家活用」「環境への配慮」「唯一無二のデザイン性」などから注目を集めています。

リフォームとの違いをわかりやすく解説
リフォームは、老朽化した部分を修繕・交換して「元の状態に戻す」工事です。たとえば壁紙の張り替えやキッチン交換などが該当します。
一方、リノベーションは「新しい価値を加える」ことが目的。古民家リノベーションでは、古い梁や柱を活かしながら断熱・耐震性能を高め、現代的な間取りへ刷新するケースが多いです。
つまり、リフォームは「部分修繕」、リノベーションは「再生・価値向上」と理解すると違いがわかりやすいでしょう。
古民家ならではの魅力(梁・柱・土壁・漆喰など自然素材)

古民家最大の魅力は、自然素材の力強さと美しさ にあります。
- 梁・柱:太い無垢材が使われており、現代住宅にはない迫力を演出
- 土壁や漆喰:調湿性や防火性に優れ、自然素材ならではの快適性を提供
- 欄間や障子:光や風を取り込み、暮らしに柔らかさを与える
これらを隠さずにデザインへ取り入れることで、「古き良さ」を残しながら現代の快適性を融合させた唯一無二の住まい を実現できます。
👉【経験談あり】自然素材の家で後悔する人の特徴と回避ポイントとは?
実際の経験談を交えながら、自然素材の家で後悔しやすい人の特徴と、その回避ポイントを具体的に解説します。
今、古民家リノベが人気を集めている理由
古民家リノベーションが人気を集めている背景には、いくつかの理由があります。
- 空き家問題の解決策:使われなくなった古民家を再生し、新しい住まいや店舗へ活用できる
- 自然素材の価値再評価:無垢材や漆喰などエコ素材への関心が高まっている
- 補助金・助成金の充実:国や自治体の支援で費用負担を軽減できる
- ライフスタイルの多様化:都会から地方へ移住し、スローライフを楽しむ人が増えている
つまり、古民家リノベは「環境・コスト・ライフスタイル」の3つのニーズに合致しており、今後も需要が高まる分野といえます。
古民家リノベーションの費用相場

古民家リノベーションの費用は、工事内容や建物の状態によって大きく変動します。部分リノベーションなら300万〜800万円、フルリノベーションなら1,000万〜2,000万円以上かかるケースも珍しくありません。
特に耐震補強や断熱改修、水回りの更新は高額になりやすい項目。さらに自然素材を取り入れるとコストは増加しますが、その分快適性や資産価値が高まるメリットもあります。
部分リノベとフルリノベの費用比較
- 部分リノベーション(300万〜800万円程度)
例:リビングやキッチンの改修、水回りの入れ替えなど。予算を抑えつつ生活の質を改善できる。 - フルリノベーション(1,000万〜2,000万円以上)
例:耐震補強・断熱工事・配管や配線の全面更新・間取り変更など。新築同様の快適さを得られる反面、費用は高額。
👉 「古民家をどの程度活かすか」によって費用は大きく変わるため、事前に「部分かフルか」を明確にして見積もりを依頼するのがポイントです。
耐震補強・断熱改修・水回り交換にかかるコスト

古民家では以下の工事が高額になりやすい代表例です
- 耐震補強:200万〜600万円(柱や基礎の補強、金物の追加など)
- 断熱改修:100万〜400万円(壁・床・屋根への断熱材施工、窓の二重サッシ化)
- 水回り交換:50万〜150万円/1カ所(キッチン・浴室・トイレ・洗面台)
これらは快適性と安全性に直結するため、削ることはおすすめできません。特に築古の古民家では、耐震と断熱の強化が最優先 になります。
自然素材(無垢材・珪藻土・漆喰)を使った場合の費用増減
自然素材を使うと、一般的な建材より費用はやや高くなります。
- 無垢フローリング:1㎡あたり+5,000〜10,000円程度
- 珪藻土仕上げ:1㎡あたり+2,000〜4,000円程度
- 漆喰仕上げ:1㎡あたり+3,000〜5,000円程度
ただし、自然素材は調湿性・耐久性に優れ、長期的にはメンテナンスコストを抑えやすい のがメリット。初期費用は増えても、快適性や健康への安心感から人気が高まっています。
補助金・助成金を利用して数百万円節約する方法

古民家リノベでは、国や自治体の補助金を活用できるケースが多いです。
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業:最大250万円の補助
- 住宅省エネ2025キャンペーン:上限60万円/戸、先進的窓リノベ2025事業一戸当たり上限200万円
- 地域型住宅リノベーション補助金(自治体ごと):耐震・断熱改修に数十万〜数百万円支援
- 空き家活用補助金:空き家を住宅や店舗に再生する場合に利用可能
これらを組み合わせると、実質負担が数百万円軽減できる こともあります。リノベ計画を立てる際は、必ず補助金情報をチェックしましょう。
👉【2025年最新版】空き家リノベーションの費用相場と補助金制度まとめ
上の記事では、空き家リノベーションにかかる費用の相場から、最新の補助金制度の活用方法、注意すべきポイントまでわかりやすく解説します。
古民家リノベーションの注意点
古民家リノベーションは「味のある住まい」を実現できる反面、現代の住宅とは構造や素材が大きく異なるため注意すべき点が多くあります。特に 費用の想定外、構造的なリスク、施工できる業者の限られた選択肢 は、多くの施主が悩むポイントです。ここでは、失敗しやすい落とし穴と対策を詳しく解説します。

想定外の追加工事が発生しやすいポイント
古民家の多くは築数十年〜100年以上経過しているため、解体してみないと内部の状態が分からないケースが多いです。
追加工事が発生しやすい代表例
- 床下の腐食やシロアリ被害 → 土台や大引きの交換で数十万円単位の追加
- 屋根裏・梁の劣化 → 補強工事や取り換えで100万円以上かかることも
- 配管・電気配線の老朽化 → 交換が必要になり、工期延長・費用増加
👉 見積もり段階で「調査の精度が低い業者」だと、着工後にどんどん追加費用が発生してしまいます。必ず 現地調査を丁寧に行う会社かどうか を確認しましょう。
断熱・耐震・シロアリなど古民家特有のリスク
古民家ならではの魅力は「自然素材」ですが、その反面リスクも多いです。
- 断熱性能が低い
昔の家は風通しを重視しているため、断熱材がほぼ使われていません。
→ 壁や床下に断熱材を追加しないと「夏暑く冬寒い家」になってしまいます。 - 耐震性能が不足している
基準法制定前に建てられた建物が多いため、耐震補強が必須。
→ 柱・梁の補強や基礎の打ち直しで、数百万円単位の費用が発生することもあります。 - シロアリ・湿気による劣化
土台や柱が無垢材のため、シロアリや湿気に弱いのが特徴。
→ 防蟻処理や換気計画をセットで考えないと、再発リスクが残ります。

✅ これらのリスクは「見えない部分」に潜んでいるため、信頼できる調査と正確な耐震診断が欠かせません。
施工できる業者の探し方と見極め方
古民家リノベーションは、一般的なリフォーム業者では対応が難しいことが多いです。
業者選びのチェックポイント
- 古民家再生の実績があるか → 施工事例写真や築年数の明記を確認
- 自然素材の施工経験があるか → 漆喰・土壁・無垢材の扱いに慣れているか
- 構造補強に対応できるか → 耐震診断士や一級建築士が在籍しているか
また、「古民家再生協会」や自治体が紹介している登録業者をチェックすると安心です。
👉 ポイントは「金額の安さ」だけで選ばず、古民家を活かす技術と実績を持つ業者かどうか を最優先にしましょう。
自然素材を活かすリノベーションのコツ

古民家リノベーションを成功させる最大の魅力は、自然素材の美しさや機能性を活かしつつ、現代の快適さを取り入れられることです。梁や柱、漆喰や土壁などの素材は年月を経ても独特の風合いを保ち、住む人に心地よさを与えてくれます。ここでは、自然素材を活かすための具体的なリノベーションの工夫を解説します。
梁や柱を見せるデザインで「古き良さ」を残す
古民家の魅力といえば、太く力強い梁や柱。リノベーションでは、あえて隠さず見せる「現し(あらわし)」デザインが人気です。
木材の経年変化による味わいは、新築住宅では再現できない唯一無二の価値。照明を工夫して梁を照らすと、より立体感が際立ちます。
- 天井を高くして梁を露出する「吹き抜け風リノベ」
- 柱を活かして和モダンなインテリアに調和させるデザイン
- 黒く燻された梁を活かし、照明で陰影を演出する
また、梁や柱をアクセントに使うことで、モダンな内装とのコントラストが生まれ、「古さ」と「新しさ」が調和した空間になります。
自然素材の調湿効果・断熱効果を最大限活かす方法
古民家の土壁や漆喰は、湿気を吸収・放出する調湿効果を持っています。また、無垢材の床や天井も同様に、夏は涼しく冬は温かみを与える役割があります。
しかし、現代の住宅と比べると断熱性能は不足しがち。そこで重要なのは 「自然素材を活かしつつ、断熱材をバランスよく追加する」 ことです。
- 壁の内側に高性能断熱材を入れても、土壁を部分的に残す
- 漆喰仕上げの内壁にして調湿効果を確保
- 無垢材の床下に断熱材を敷き込み、冬の底冷えを防ぐ

こうした工夫により、冷暖房費の削減や結露防止にもつながり、快適さと省エネ性能を兼ね備えた住まいになります。
現代設備(キッチン・浴室)との調和をとる工夫
自然素材を活かす一方で、生活に欠かせないのが最新の住宅設備です。特にキッチンや浴室は毎日使う場所なので、機能性とデザイン性の両立が重要になります。
- キッチンは木製カウンターにステンレス天板を組み合わせ、無垢材との調和を図る
- 浴室は檜の壁材を取り入れつつ、ユニットバスの防水性を活用する
- 照明や収納はシンプルデザインを採用し、梁や柱を引き立てる
自然素材と現代設備をバランスよく融合させることで、「快適さ」と「古民家らしさ」を両立した暮らしが実現できます。
古民家リノベーションの成功事例
古民家リノベーションは「費用が高そう」「工事が大変そう」と思われがちですが、工夫次第で予算内に収めつつ、快適さやデザイン性を実現できます。ここでは、実際の成功事例をもとに費用を抑えつつ満足度を高めたポイントを紹介します。

低予算でも快適性を高めたリノベ例
築50年以上の古民家をリノベーションした事例では、水回りと断熱工事を中心に最小限の工事を行い、費用を抑えながら快適性を向上させました。
- 古い台所をシンプルなシステムキッチンへ交換
- 窓に内窓を設置し、断熱性能をアップ
- 壁や天井は塗装仕上げでコストを削減
このように、優先順位を明確にすることで、総費用を800万円以内に抑えつつ、冬の寒さ対策と暮らしやすさを両立できました。
自然素材をふんだんに使った再生事例
もう一つの事例では、古民家の梁や柱をそのまま活かしつつ、床や壁に無垢材や漆喰、珪藻土をふんだんに使用しました。
- 梁や柱を見せるデザインで「古き良さ」を残す
- 無垢材の床は自然塗料で仕上げ、経年美を楽しめる仕様に
- 漆喰壁で調湿効果を高め、夏も冬も快適な室内環境を実現
費用はフルリノベーションで約1,500万円かかりましたが、自然素材を活かしたことで「温かみのある住まい」へと生まれ変わり、家族が集う心地よい空間になった成功事例です。
補助金を活用して実現したお得な事例
古民家リノベーションでは、国や自治体の補助金を上手に活用することで、費用を数百万円単位で削減できるケースがあります。
例えば、長期優良住宅化リフォーム推進事業を利用し、耐震補強や断熱改修を行った事例では、
- 工事費用:1,200万円
- 補助金活用:最大200万円の補助
- 実質負担:1,000万円
となり、安心して暮らせる性能を確保しつつ、コストを大幅に抑えることに成功しました。
古民家リノベで後悔しないためのチェックリスト

古民家リノベーションは、費用も手間もかかる大きなプロジェクトです。事前の準備不足や業者選びの失敗によって「予算オーバー」「工事の仕上がりに不満」「想定外の追加費用」といった後悔を招くケースも少なくありません。ここでは、リノベ前に必ず押さえておきたいチェックリストを解説します。
見積もり段階で確認すべきポイント
古民家リノベの見積もりは、通常の住宅リフォームよりも不確定要素が多いため注意が必要です。
- 工事項目が細かく記載されているか(曖昧な「一式工事」には要注意)
- 追加費用が発生する可能性が記載されているか
- 耐震補強・断熱改修・シロアリ対策の有無
- 使用する自然素材(無垢材や漆喰など)の種類と単価
これらを比較しないと、契約後に高額な追加費用が発生することもあります。複数社から相見積もりをとり、費用の根拠を比較することが後悔を防ぐ第一歩です。
契約前に工務店へ聞くべき質問リスト

契約前には、必ず工務店やリノベーション会社に質問をして不安を解消しておきましょう。特に古民家は施工経験が仕上がりに直結します。
質問例
- 古民家リノベーションの施工実績はどれくらいありますか?
- 耐震補強や断熱改修にどのような方法を採用していますか?
- 補助金や助成金の申請サポートは可能ですか?
- 追加費用が発生する場合、どのタイミングで報告してくれますか?
経験不足の業者を選んでしまうと、工事途中でトラブルが起きやすいため、施工実績とサポート体制を重視して選ぶことが大切です。
資金計画・ローンのシミュレーション方法
古民家リノベはフルリノベーションだと1,000万円以上かかるケースも多く、資金計画が重要です。
- 自己資金+住宅ローン+補助金を組み合わせた資金計画を立てる
- リノベーションローンだけでなく、住宅ローンの「リフォーム対応型」を利用できるか確認
- 将来の維持費(屋根・外壁の修繕費や自然素材のメンテナンス費用)も見込んで計算する
事前にローンシミュレーションを行い、月々の返済額を把握しておくことで、生活に無理のない計画を立てられます。
👉住宅ローンの最安金利がみつかるモゲチェックとは!口コミやデメリットも解説!
上の記事では、モゲチェックの仕組み、メリット・デメリット、実際の利用者の口コミなどを徹底解説します。モゲチェックを活用して、賢く住宅ローンを選び、理想のマイホームを手に入れましょう。
まとめ|費用と注意点を理解して、自然素材を活かした古民家リノベを成功させよう
古民家リノベーションは、費用も手間もかかる一方で、自然素材を活かした唯一無二の住まいが手に入る大きな魅力があります。成功のカギは、事前に費用相場と注意点を正しく理解し、信頼できる業者と二人三脚で進めることです。ここまでのポイントを改めて整理してみましょう。

費用相場を知って予算オーバーを防ぐ
古民家リノベの費用は、部分リノベなら数百万円、フルリノベなら1,000万円以上かかることもあります。耐震補強や断熱改修、水回りの刷新など、見積もりに含まれる工事項目を確認することが大切です。
👉 相場を把握しておくことで、無理のない資金計画が立てられ、「予想外の出費で後悔…」という事態を避けられます。
注意点を把握してトラブルを回避する
古民家ならではのリスク(シロアリ被害、構造の老朽化、断熱不足など)は見えにくい部分に潜んでいます。
- 解体時に追加工事が発生しやすい
- 補助金を使うには事前申請が必須
- 古民家リノベに慣れていない業者では対応できない場合もある
✅ こうした注意点を事前に押さえておくことで、スムーズに工事を進められ、余計なトラブルを防げます。
信頼できる業者と一緒に、後悔しない再生を
古民家リノベの成功には、施工実績が豊富で自然素材に精通した工務店やリノベ会社を選ぶことが不可欠です。
- 過去の古民家施工事例を確認する
- 補助金や助成金のサポート体制があるかチェック
- 工事後の保証やメンテナンスが充実しているか
👉 信頼できる業者と出会えれば、費用の不安や工事中のトラブルも最小限に抑えられ、安心して古民家再生を楽しめます。
次に読むと役立つ関連記事
- 初めての外壁塗装!塗り替え費用や業者選びで失敗しないための基礎知識
外壁塗装が初めてでも安心して進められるように、外壁塗装の費用相場や業者選びの注意点、基礎知識を徹底解説しています。 - 自宅駐車場を貸して稼ぐ!『akippa』 vs 『特P』完全比較で最適な選択法
まだまだ普及率の低い駐車場シェアリングサービスを、我が家で使っている実体験をもとに解説します。 - 住宅ローンの最安金利がみつかるモゲチェックとは!口コミやデメリットも解説!
モゲチェックは、複数の金融機関の住宅ローンを比較検討できる便利なサービスです。金利だけでなく、諸費用や保険などの条件も比較できるため、最適な住宅ローンを見つけることができます。


この記事に関して質問や相談、リクエストなどあればお問い合わせいただくか、(X)Twitterで DMください。お待ちしております。最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント