近年日本では全国各地で地震が発生し、多くの被害が出ています。
震度7が2回も起きた2016年の熊本地震では「耐震等級2」の建物が倒壊し、最も耐震性能が高い「耐震等級3」の住宅は、被害が無いか軽微な被害の住宅がほとんどでした。
一般住宅の基準とされる「耐震等級1」や「長期優良住宅レベルの耐震等級2」では、震度7が2回起きた場合には倒壊する事例が出ています。
これからの家づくりは、内装や水廻りなどの設備にお金を掛けるよりも、「家族と財産を守る、家族が安心できる地震に強い家」を建てることが何よりも必要です。
これから家を新築する人の
私は仕事柄、地震に強い工法や耐震性が高くなる建材を数多く見てきました。その中でも多くの工務店に使っていただき、お施主様にも評価の高い、「耐震性能を更に高めるコーチパネル」をご案内します。
この記事を読んで、建物の仕様に取り入れることで、「地震が起きても避難する必要がない、自宅をいちばん安全な場所」にすることができます。

耐震性能を更に高めるコーチパネルで地震に備える!

こちらの構造編では、仕様規定(壁量計算)の簡易的な計算ではなく、(構造計算)の建物の安全性を確認するための計算による「許容応力度計算で耐震等級3」の構造に設計することをオススメしています。
同じ耐震等級3でも、詳細な計算による耐震等級3で設計するほうが耐震性能は上がります。耐震等級3は防災の拠点となる消防署や警察署などと同じ耐震性になる最強の構造です。
👉耐震等級3の家は地震保険が半額に!住宅ローンも優遇されるって本当?
耐震等級3の地震に強い家にすることで、地震保険の「耐震等級割引」を使うことができます。火災保険や地震保険の加入がまだの方、火災保険の見直しをして乗り換えを検討中の方はこちらの記事をご覧ください。
木造で最強の構造にする!高耐震パネルのコーチパネルとは?

まずはこちらの動画をご覧ください。
こちらの動画では、「片筋違い工法」、「大壁直貼り工法」、「コーチパネル」の3つの工法に同じ揺れを与えて破壊実験をしています。
この3つの工法の中でコーチパネルが大きな揺れに何度も耐えています。

圧倒的な強さです。
同じ耐震等級3にする場合でも「片筋違い」、「大壁直貼り」、「コーチパネル」では工法によって実際の耐震性が大きく変わるのが分かります。
「片筋違い」や「大壁直貼り」は節や割れなどの材料による精度や、釘を打つ場所や圧力など大工さんの施工精度の違いによっても耐震性が変わります。
その点「コーチパネル」の場合は工場生産で、釘を打つ場所や圧力が一定になるので、パネルの製品精度を安定させることができます。
大切な家族の命を守るような大事なところは、人間の技能や技術に左右されない、製品精度が安定している「コーチパネル」採用したいですね。
「片筋違い」と「大壁直貼り」工法のメリットとデメリット
この「片筋違い」と「大壁直貼り」の工法は一般的な工法で、多くの工務店やハウスメーカーで取り入れている工法です。
「片筋違い」の場合、木材の節の位置や大きさ、木材の割れや施工精度によって強さのバラつきが出てしまいます。「片筋違い」工法のメリットはコスト面です。バランスよく配置することで、コストを掛けずに耐震等級3を取ることが可能です。


「大壁直貼り」の場合、地震の力を耐力面材の面全体に力を分散させますので、建物の倒壊を防ぎます。ただし、釘打ちの精度によって強さが変わる欠点もあります。
この「大壁直貼り」の欠点は地震が起きた場合、面材は強いのですが面材を留めている釘が地震の大きな揺れによって外れてしまいます。
高耐震パネルのコーチパネルは地震に強い!

コーチパネルの強さを数字に表すと、壁倍率は、4.8相当になります。 従来の工法「片筋違い」や「大壁直貼り」に比べて、約2倍の耐力と、約1.6倍もの粘り強さを発揮します。
これが実際どれくらいの揺れに耐えられる強さかというと、 震度7強を超える巨大地震や、繰り返し来る余震にも耐えられる程の強さです。
コーチパネルは強さ以外のメリットもたくさん!
このコーチパネルは地震に強いところが一番のメリットですが、強さ以外でもメリットがたくさんあります。
①枠材と耐力面材と断熱材が一体になっているので施工が早い。
②釘を打つ圧力と打つ箇所の組み立て精度が安定している。
③上棟時に施工するので壁断熱までの施工が早い。
④上棟翌日にはサッシの施工ができる。
⑤雨で建物内部が濡れる心配がなくなる。
⑥上棟後すぐに防犯対策になる。
⑦隙間のない断熱施工ができ、気密を取りやすい。
⑧上棟日に耐力面材と断熱材までの施工が終わるので工期が短縮できる。
⑨約2週間の工期短縮ができるので大工の施工手間が減る。
⑩電気配線をしやすい。
⑪高断熱施工もできる。
⑫室内側からパネルをはめるので安定した足場での施工ができる。
⑬壁紙クロスの浮きや剥がれが激減します。
⑭工期短縮につながるので、近年の職人不足に有効。
間柱の枠材に耐力面材と断熱材が組まれて一体のパネルになっていることで、施工が格段に速くなります。


コーチパネルの商品代が入りますので建物の費用が上がるように見えてしまいがちですが、約2週間の工期短縮ができたり施工手間が大幅に減りますので、総合計のコストで見るとそこまで大きな額のコストアップにはなりません。
工務店にとってもお施主さんにとってもメリットがいっぱいですね!
コーチパネルを施工することで窓位置が決まりますので、上棟の翌日にはサッシを施工することができます。防犯対策になり、建物内部が雨で濡れる心配がなくなります。
床の合板や屋根の合板、ハウスメーカーでよく使われる集成材の梁桁柱は糊で接着していますので雨に濡らさない施工が必要です。
特に合板は剥離して床鳴りの原因になったり、カビが発生する可能性があります。
最近の住宅は高気密・高断熱なのでカビがそのまま放置されてしまうと壁の中でカビが大繁殖してしまいます。
コーチパネルのデメリットを理解する!
コーチパネルはメリットが多いですが、デメリットもありますのでデメリットを理解したうえで検討しましょう。
コーチパネルは断熱材の選択肢が少ないといったデメリットがあります。
使用できる断熱材は、ネオマフォームとスタイロフォームの2種類になります。

防火構造認定で対応することは可能ですが、コーチパネルの場合、内部からパネルをはめ込んでいくために外壁の柱が見えるように面材が張られます。そのため、防火の認定が取れるような面材であっても柱が見えていては防火構造認定を取ることができません。
防火構造認定を取るには外壁の下地としてプラスターボードを貼る必要がありますので、手間とコストが掛かるところがデメリットと言えます。ただし「窯業系サイディング」の場合はプラスターボードの外壁下地は無くても大丈夫です。
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まとめ:木造住宅の工法選びと耐震性能の重要性

木造住宅を建てる際に採用する工法によって、耐震性能は大きく異なります。「片筋違い工法」「大壁直貼り工法」「コーチパネル工法」の3つを比較した破壊試験の動画からも、その違いが明らかです。
特にコーチパネル工法は、コストが上がるというデメリットはあるものの、耐震性に優れ、地震に強い建物を実現できることが最大のメリットです。さらに、工期の短縮や商品の精度の安定性に加え、雨や防犯対策にも優れている点も評価できます。
家の構造は一度建てたら簡単には変更できません。そのため、後から交換可能なキッチンやお風呂のグレードを多少下げてでも、耐震性能の高い構造にすることが、家族の安心を守るためには最も重要ではないでしょうか。

地震に強い家を建てることは、将来の安全と安心を確保する上で大切な選択です。
つづきは下の記事へ
👉【木造で最強の構造!】地震に強い家にして保険料と住宅ローンを安くする方法!
耐震等級3の構造(骨組み)を金物工法で組み、コーチパネルを組み合わせることで、地震が起きても避難の必要がない最強の家づくりについて詳しく説明しています。木造住宅でコストを抑えつつ、地震に強い最強の家を目指す方は、ぜひ下の記事をご覧ください。必見の内容です!

建ててから後悔しないように地震に最強の家を目指しましょう!
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