家を建てるとき、「地震に強い家にしたい」と思うのは当然ですよね。
特に小さなお子さんがいるご家庭や、これから長く安心して暮らしたい若いご夫婦にとっては、家の耐震性は見逃せないポイントです。
住宅の耐震性を示す「耐震等級」には1〜3のランクがありますが、
こんな疑問を感じたことはありませんか?
- 「耐震等級3って本当に必要?」
- 「等級1や2じゃダメなの?」
- 「費用が高くなるなら、バランスも考えたい…」
この記事では、耐震等級1・2・3の違いを分かりやすく解説しながら、
実際に住宅営業の現場で見てきた視点から、本当に後悔しない選び方をお伝えします。
さらに、保険料や住宅ローン優遇制度との関係や、耐震等級3にする際の注意点も紹介しますので、
これから家を建てる方はぜひ参考にしてください。
耐震等級とは?1〜3の違いを分かりやすく解説します!
家づくりの打ち合わせで「耐震等級はどうされますか?」と聞かれて、「そもそも耐震等級って何?」と思った方も多いかもしれません。
耐震等級とは、住宅がどれくらい地震に耐えられるかを示す**耐震性能の“ものさし”**です。1〜3の3段階があり、数字が大きいほど耐震性が高くなります。

🏠 耐震等級ごとの違い
等級 | 地震への強さ(基準) | イメージされる建物 | 被害軽減の目安 |
---|---|---|---|
等級1 | 建築基準法レベル(震度6強〜7でも倒壊しない) | 最低限の安全基準を満たす一般住宅 | 倒壊は免れるが損傷の可能性あり |
等級2 | 等級1の1.25倍の耐震性能 | 学校・避難所などの災害拠点 | 損傷を抑え、避難生活のリスク軽減 |
等級3 | 等級1の1.5倍の耐震性能 | 警察署・消防署などの重要施設 | 大地震でも被害が少なく住み続けられる |
🔍もっとわかりやすく言うと…
- 等級1:最低限の安全。命は守れるけど、建物の損傷や住めなくなる可能性もある。
- 等級2:避難所レベル。大きな揺れにもある程度耐えられ、生活再建しやすい。
- 等級3:公的施設レベル。家族の命+生活+財産を守るための安心ランク。
🧱 構造計算の有無による違いにも注意!
内容 | 等級1(仕様規定) | 等級2・3(構造計算) |
---|---|---|
設計方法 | 壁量計算のみ | 許容応力度計算あり |
地震に対する信頼性 | △(基準は満たすが余裕がない) | ◎(数値的に裏付けされた強さ) |
間取りの自由度 | 高い | やや制限されることも |
特に等級3を取るには、きちんとした構造計算が必要です。
構造のバランスや耐力壁の配置まできちんと検討されるため、耐震性の信頼度がグッと上がります。
👪 こんな人におすすめなのが「等級3」
- 小さなお子さんがいて、避難所生活をできるだけ避けたい
- 共働きで、震災後すぐに日常生活を再開したい
- 資産として住宅の価値を守りたい
- 保険料や住宅ローンの優遇を受けたい
「命を守る」から「暮らしを守る」へ。
これが、耐震等級3の持つ本当の価値なんです。
実は…同じ「耐震等級3」でも強さに差がある?
「耐震等級3にしたから安心!」と思いたいところですが、じつは同じ等級3でも、設計方法によって“本当の強さ”に差があることをご存じですか?
キーポイントになるのが、**構造計算(=建物の強さを数値で裏付ける作業)**の方法です。
🔍 許容応力度計算とは?
耐震等級を取得するには、建物が地震に耐えられるかどうかを設計段階で確認します。
その方法には大きく分けて、以下の2種類があります。
計算方法 | 内容 | 耐震の信頼性 |
---|---|---|
簡易計算(壁量計算など) | 壁の量や配置だけをチェック。木造2階建てなどで多く使われる | △ 目安レベル |
許容応力度計算 | 柱・梁・基礎などすべての構造部材にかかる力を数値で検証する | ◎ 高精度・高信頼 |
📌 許容応力度計算がなぜ強いのか?
許容応力度計算では、地震や台風の力が柱や梁にどのくらいかかるのかを細かく計算し、部材ごとに「これなら壊れない」という余裕をもたせて設計します。
その結果、
- 建物全体の構造バランスが取れている
- 無理のない配置で揺れにくい家になる
- 計算された通りの耐震性が数値で証明されている
という、**地震に強い「実力派の等級3」**の家がつくれるのです。
💡 まとめると…
等級 | 計算方法 | 安心レベル |
---|---|---|
等級3 | 壁量計算ベース | ◯(最低限の安心) |
等級3 | 許容応力度計算 | ◎(本物の安心) |
「同じ等級3ならどれも同じ」ではなく、**「どう設計された等級3なのか?」**まで確認することが大切です。
「等級3」にプラスして「許容応力度計算」まで行うことで、
わが家の命・生活・資産を守る本当の安心が手に入ります。
耐震等級3のメリット|命を守るだけじゃない!

「地震に強い家にしたいから、耐震等級3がいいんでしょ?」
…そう思っている方、多いと思います。もちろんその通りなんですが、実は等級3のメリットは“命を守る”だけじゃないんです!
ここでは、実際に家を建てた私自身が「やっておいてよかった…!」と感じた、**耐震等級3の“+αのメリット”**を紹介します。
🛡️ 1. 地震後も“住み続けられる”安心
等級1や2の家は、大地震で倒壊こそしなくても「大きな損傷」を受けることがあります。
でも、等級3の家は、揺れによる被害そのものを最小限に抑えられるため、地震後もすぐに自宅での生活が続けられる可能性が高いんです。
たとえば…
- 避難所に行かずに、家族で自宅で過ごせる
- 修繕費がほとんどかからず、経済的ダメージが少ない
という、“暮らしの継続”という意味での安心があります。
🧱 2. 家の資産価値が落ちにくい
「住宅は資産」とよく言いますが、地震でダメージを受けた家は、どうしても資産価値が落ちてしまいます。
耐震等級3は、地震の被害を抑えることができるので、長期的に見ても価値が保ちやすいのが大きなメリット。
また、長期優良住宅の認定にも必須要件なので、
・税金の優遇
・補助金の対象
など、金銭的なメリットも付いてきます。
💰 3. 火災保険・地震保険の割引が受けられる
意外と知られていませんが、耐震等級3の住宅は、保険料が割引される制度があるんです。
たとえば…
- 地震保険は最大50%割引
- 火災保険も会社によっては割引適用
保険料は毎年の支出なので、**長く住むほど“お得”**になります。
▶︎【関連記事】耐震等級3の住宅にすると地震保険が50%安くなる!?さらに住宅ローンまでお得になる理由はこちら
🧑💼 4. 住宅ローンの金利優遇も受けられる
一部の金融機関では、耐震等級3や長期優良住宅といった性能の高い住宅に対して、住宅ローンの金利を優遇するプランを用意しています。
金利が0.1%違うだけでも、35年ローンでは数十万円の差に。
耐震性が高いというだけで、金利も下がるなんてありがたいですよね。
📌 まとめ:安心・安全・経済性、すべてに効く!
メリット | 内容 |
---|---|
命を守る | 大地震でも倒壊しにくい |
暮らしを守る | 地震後も住み続けられる/修繕コストを抑えられる |
資産価値が落ちにくい | 将来的な売却や相続の際も有利 |
保険・ローンで金銭的な恩恵 | 地震保険・火災保険・住宅ローンの割引や優遇を受けられる |
家族の命を守るのはもちろん、暮らし・お金・将来の安心までまるごと守ってくれるのが「耐震等級3」なんです。
等級3にするデメリット・注意点
「耐震等級3って、いいことばかりじゃないの?」
そう思われるかもしれませんが、実は注意しておきたいポイントもあるんです。

メリットが大きい分、事前に知っておかないと「こんなはずじゃなかった…」と後悔することも。ここでは、等級3にする際のデメリットや注意点を正直にお伝えします。
💸 1. 建築コストが上がることがある
等級3を取得するには、耐力壁を増やしたり、構造材を太くしたりといった追加の設計・工事が必要になることがあります。
また、**許容応力度計算(構造計算)**を行う場合は、その分の設計費用が加算されるのが一般的。
例:同じ間取りでも、等級1より+50万円〜100万円かかるケースも。
ただし、このコスト増は「命・暮らし・資産を守る保険」とも言えるので、価値ある出費と考える方も多いです。
📐 2. 間取りの自由度が制限されることも
耐震等級3の家は、構造のバランスがとても重要です。
そのため、「吹き抜けを大きく取りたい」「壁のない広々リビングにしたい」といった要望が、構造上難しくなることもあります。
例:「この壁は抜けません」と言われることも。
設計士さんと早い段階で**“耐震とデザインのバランス”を相談する**のがポイントです。
📄 3. 性能を証明する書類がないと意味がない?
ハウスメーカーや工務店によっては、「耐震等級3相当です」と言いながら、正式な認定(評価書)を取っていないケースもあります。
等級3の本当のメリット(地震保険割引・住宅ローン優遇など)を受けるには、
✅ 許容応力度計算
✅ 評価機関からの証明書
が必要になるので、**「等級3って書いてあるけど、ちゃんと証明ある?」**と確認しましょう。
💡 まとめ:コストと自由度のバランスを意識しよう
デメリット・注意点 | 内容 |
---|---|
コスト増の可能性 | 部材増・構造計算の費用などがかかる |
間取りの制限 | デザインに制約が出ることがある |
曖昧な「等級3相当」に注意 | きちんと評価書があるか確認が必要 |
耐震等級3はたしかに安心。でも「どこまでやるか」は家族の価値観によって変わります。
デメリットを知ったうえで、設計・費用・暮らしのバランスをしっかり考えましょう。
実際どう?耐震等級3の後悔しない選び方【体験談あり】

正直、わが家が家づくりを始めたとき、「耐震等級3って高いし、そこまで必要?」って思ってました。
でも調べていくうちに、“命を守る”以上のメリットがあることに気づいたんです。
ここでは、実際に耐震等級3で建てた私の体験談と、後悔しないためのポイントをリアルにお伝えします。
🏠 【体験談】耐震等級3にした決め手は“ある映像”だった
ある日、ネットで東日本大震災の被害状況をまとめた動画を見て、家族でゾッとしたんです。
「たとえ命が助かっても、家が壊れたら住めない。避難所生活になるかもしれない…」
そう思ったときに、「住み続けられる家を建てよう」と決心。
ハウスメーカーに相談したところ、「耐震等級3+許容応力度計算で設計できますよ」と提案があり、
少し予算は上がったけど、それ以上に得られる安心感が大きかったんです。
☑️ 後悔しないための選び方ポイント
私が感じた「これは事前に知っててよかった!」と思うポイントを3つにまとめました。
①「等級3相当」じゃなく正式な評価書が出るか確認!
営業さんに「うちは等級3相当です」と言われても、それだけじゃダメ。
“耐震等級3”は第三者機関の評価書があって初めて、地震保険の割引やローン優遇が受けられます。
👉 必ず「評価書出ますか?」と確認を!
② 設計初期段階から「耐震を前提に間取り」を考える
間取りが決まってから「じゃあ耐震を強くしましょう」となると、
「吹き抜けが難しい」「この壁は抜けません」なんてことも。
👉 最初から「耐震等級3前提」で打ち合わせすると、スムーズです!
③ 構造計算の方法(許容応力度計算)を選ぶかどうか
壁量計算だけで等級3を取れる場合もありますが、やっぱりおすすめは許容応力度計算。
我が家もこの方法で建てましたが、構造がしっかりしている安心感が段違いです。
多少費用は上がりますが、「地震が来たときの安心」を買うと思えば納得できました。
💡 まとめ:安心を“数字”で確認できるのが耐震等級3
チェックポイント | なぜ大事? |
---|---|
評価書の有無 | 保険・ローンの優遇を受けるため |
設計初期からの意識 | 間取りの自由度とバランスを両立するため |
許容応力度計算を選ぶかどうか | 本当に強い「等級3」にするため |
家づくりは、あとから「やっとけばよかった」と思っても戻れません。
私たちは少し予算を上げてでも「本気の耐震等級3」を選んで、今では家族で安心して暮らせる毎日を送っています。
これから家を建てる方にも、ぜひ後悔しない選択をしてほしいと心から思います。
耐震等級3を取るにはどうしたらいい?【建てる前にチェック】
「うちも耐震等級3の家にしたい!」
そう思っても、「具体的にどうすれば?」と迷いますよね。じつは、設計段階での“ある選択”がカギになるんです。

ここでは、耐震等級3を取るために、建てる前にやっておくべきことをチェックリスト形式でご紹介します!
✅ 1. ハウスメーカーや工務店に「耐震等級3で建てたい」と最初に伝える
まず大事なのは、設計が始まる前に「等級3希望」と伝えること!
あとから「やっぱり等級3にしたい」と言っても、間取りの変更や追加コストが発生することがあります。
💬 私たちは初回打ち合わせのときに「地震に強い家にしたい」と伝えたら、設計士さんが最初から耐震構造を意識してくれました。
✅ 2. 「許容応力度計算」で構造計算してもらえるか確認
耐震等級3を本気で目指すなら、“許容応力度計算”による構造設計をしてもらえるかチェック!
- 壁の配置や梁の強度などを、数値でしっかり検証
- 地震に対して本当にバランスが取れている設計ができる
「壁量計算」だけで耐震等級3を名乗る会社もありますが、安心感が段違いなので、ここはこだわりたいポイントです。
✅ 3. 「耐震等級3の評価書を取得してもらえるか」確認
耐震等級3の正式な評価書を取得することで、以下のメリットがあります:
- 地震保険の割引(最大50%オフ)
- 一部住宅ローンで金利優遇が受けられる
- 将来売却する際に資産価値として評価される
🔍 「耐震等級3相当です」ではNG!必ず「評価書は取得しますか?」と聞きましょう。
✅ 4. 耐震強化のために「間取りの工夫」も必要
耐震等級3の設計には、耐力壁のバランスや屋根の重さなども関係してきます。
そのため、以下のような工夫が求められることも:
- 壁をしっかり配置する(大開口リビングは要相談)
- 軽い屋根材を選ぶ(瓦ではなく金属屋根など)
- 複雑な形の間取りは避ける(凹凸が多いと弱くなりやすい)
📌 まとめ:設計前の「ひと言」が未来を守る!
チェック項目 | なぜ重要? |
---|---|
等級3で建てたいと最初に伝える | 設計がスムーズに、コスト増も最小限に抑えられる |
許容応力度計算を採用してもらえるか確認 | より正確で安心できる耐震設計ができる |
評価書を取得してもらえるか確認 | 保険・ローン・資産価値の優遇につながる |
間取りの工夫を受け入れる準備があるか | 設計自由度と耐震性能の両立のために必要 |
「なんとなく耐震が強い」ではなく、数字と証明でわかる安心を選ぶこと。
それが、家族を守る“後悔しない家づくり”への第一歩です!
まとめ|耐震等級3で“安心の暮らし”を手に入れよう!

ここまでお読みいただきありがとうございます!
地震大国・日本で家を建てるなら、「耐震性」は絶対に見逃せないポイント。
とくに 耐震等級3は“命を守る”だけじゃなく、その後も住み続けられる家をつくるための備えです。
- 等級1と3では、地震への強さがまったく違う
- 「等級3相当」ではなく、正式な評価書の取得が大切
- 設計段階から構造や間取りの工夫も必要!
わが家も実際に耐震等級3で建てて、「やっぱり選んで良かった!」と日々実感しています。
📌 家づくりで後悔しないために
これから家を建てようとしているあなたへ。
ぜひ一度、こう問いかけてみてください。
「うちは本当に大地震でも大丈夫?」
そして、ハウスメーカーや工務店の担当者には、こう伝えてみてください👇
「耐震等級3を、きちんと評価書付きで取りたいんです。」
その“ひと言”が、家族の命と暮らしを守る大きな一歩になるはずです。
特に、小さなお子さんのいる家庭や、共働きで日中家を空けることが多い家庭にとっては、「安心」という備えにもなります。
地震大国・日本では、命を守るだけでなく、生活を守る「耐震等級3」は、これからの家づくりに欠かせない視点です。
▶ 次に読むべき記事はこちら!
「地震保険、やっぱり入っておけばよかった…」
そうなる前に、本当に必要かどうかを見極めるチェックポイントをまとめました。

👉 地震保険は戸建てにいらない?判断のポイントと後悔しない選び方

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